アプリケーション

量子ドットのしくみ

量子ドットは特殊な状態の半導体で、II-VI族、III-V族、IV-VI族の元素グループによって構成され、ナノクリスタルと呼ばれることもあります。半導体は現代の電気産業には不可欠な物質で、LEDやパーソナルコンピュータの実現にも寄与してきました。外部刺激(電圧、光子束、など)によって伝導性を大きく変化させる性質のため、半導体の重要性は増し、多くの電気回路や光学アプリケーションには欠かせない部品となったのです。

量子ドットは、直径が2-10ナノメートル(原子10-50個)と、非常に小さい特殊な半導体です。このような微少なサイズでは、物質の性質は通常とは異なります。量子ドットには、従来の物質では不可能だったチューナビリティがあり、科学、技術の分野で、全く新しいアプリケーションを実現します。

半導体を流れる電流

カドミウムは常に電流を通し、セレンは常に絶縁します。半導体はその中間と言え、光、熱、電圧などの外部からの刺激が加えられた場合だけに電気を伝導します。

量子ドットの実用性が非常に高いのは、ピーク発光波長を、クリスタルの粒径と組成によって大幅に変更することができるためです。そして、Evident Technologies社は独自の技術で量子ドット粒径と組成を変更することが可能です。粒径・組成と発光波長の相関関係は、量子メカニズムの性質によるもので、以下のように説明されます。

量子ドットの大きさ

一つの量子ドットは、直径が2~10ナノメートル(原子10~50個)です。200万個の量子ドットを一直線に並べたとしても、その長さは1cm程度です。現実には、ほとんどのアプリケーションで、量子ドットの表面に何らかの分子を結合し、液体、ゲル、固体の基材に分散して使用します。

バンドとバンドギャップ

バルク状半導体(10nm以上)の電子は、ある範囲のエネルギーを保有しています。ある光子が隣の電子と異なるエネルギーを保有している場合、「エネルギー準位が異なる」と言います。また、一つのエネルギー準位には、電子は2つしか存在することができないことが確認されています。バルク状態では、エネルギー準位は互いに非常に近く、これを「連続している」と表現し、準位間にはエネルギーの差はほとんどありません。電子が存在することができないエネルギー準位が存在ことも確認されています。この禁止された電子エネルギーの領域は、「バンドギャップ」と呼ばれており、バルク物質によって異なります。バンドギャップから下のエネルギー準位を埋める電子は、「荷電子帯」に存在すると表現されます。バンドギャップより上のエネルギー準位に存在する電子は、伝導帯に存在する、と表現されます。

電子と孔

天然のバルク半導体物質では、非常に少量の電子しか伝導帯に存在せず、圧倒的多数の電子は価電子帯にあり、ほぼ完全に価電子帯を満たしています。価電子帯の電子が、伝導帯にジャンプするには、バンドギャップを超えるに足りるエネルギーを得るしかありません。バルク状態では、ほとんどの電子にはそのようなエネルギーは全くありません。熱、電圧、光子束のような刺激を与えると、電子の中には、存在できないギャップを飛び越えて伝導帯へ移るものもあります。価電子帯のその光子が抜けた後の位置には、電子構造に一時的に孔をあけるため、孔(ホール)と呼ばれます。

バルク半導体---エネルギーの固定された領域

十分な強さの刺激を与えると、価電子帯の光子は伝導帯へ移り、その跡には正の電気を持った孔が生まれます。飛び出した電子とその孔は、一対で「励起子」と呼ばれます。伝導帯へジャンプした電子からバルク半導体が吸収することができる放射エネルギーは、バンドギャップのエネルギーに応じて下限があります。バルク状態での原子数に加え、連続電子エネルギー準位により、バルク半導体材質のバンドギャップエネルギーは一定です。

また、天然の半導体バルクにおいては、伝導体に持ち上げられた電子は、バンドギャップを越えて元の荷電子帯エネルギー準位に戻る前には、ほんの一瞬しか伝導帯にとどまりません。電子がバンドギャップを超えて元の位置に戻ると、その移動で失うエネルギーに相当する波長を持つ電磁放射が起こります。大部分の電子は、伝導帯から価電子帯に戻る際に、伝導帯の底辺から、価電子帯の上部へ移動する傾向にあることが確認されています。つまり、バンドギャップの片側から、反対側に移るとも言えるでしょう。バルクのバンドギャップは一定なので、移動によって一定の発光波長が生まれます。一方量子ドットでは、人工的にバンドギャップを調整できるので、発光波長も変更することができます。

電子の解放による発光

電子が伝導帯の最下部から価電子帯の最上部に戻ると、一定の波長の蛍光発光が発生します。

量子ドット---量子封じ込め

量子ドットもまた、半導体物質からできています。量子ドットの電子には、エネルギー範囲があります。エネルギー準位、バンドギャップ、伝導帯、価電子帯といった概念は、そのままあてはまりますが、一つ大きな違いがあります。バルク状態では、半導体クリスタルの粒径は、Exciton Bohr Radiusよりも大幅に大きくなり、励起子は自然限界にまで及びます。しかし、半導体クリスタルが小さくなると、物質のExciton Bohr Radiusのサイズにまで近づき、電子エネルギー準位はもはや連続ではなくなり、ディスクリート、つまりエネルギー準位同士の間に小さな分離が生じます。このディスクリートエネルギー準位の状態は、量子封じ込めと呼ばれ、この状態では、半導体物質は、バルクではなくなり、その代わり量子ドットとなるのです。この状態では、半導体物質の吸収・発光に大きな影響があります。

調節可能なバンドギャップ

量子ドット半導体にたった一つの原子を加えたり、除去したりすることで、バンドギャップエネルギーを、測定可能な程度に変更することができます。つまり、バンドギャップが調節可能なのです! 量子ドットのサイズがExciton Bohr Radiusに近いか、それよりも小さい場合に可能です。

量子ドットにおけるバンドギャップのサイズ依存コントロール

バルク半導体物質と同様に、量子ドットでも電子はバンドギャップの端から端まで移動する傾向があります。しかし、量子ドットでは、バンドギャップのサイズは量子の粒径を変えるだけでコントロールすることができます。ドットの発光波長はバンドギャップに依存しますので、ドットの発光波長を非常に精密に調節可能です。実際、Evident Technologies社はドットのバンドギャップを調節し、顧客のニーズに応じて発光波長の特定を可能にしました。

サイズに依存した波長色

量子ドットの発光波長は、単に粒径を変えるだけで変更可能です。粒径が小さくなるほど波長は青側になり、大きくなると赤色側にシフトします。

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