ストロボ光、パルス光、点滅光など様々な呼び名のあるフラッシュライト(閃光:点滅を繰り返す光)は時間の経過と共に光の明るさが急速に変化します。パルス光の中には、決まった周波数と点灯時間にて、点滅を繰り返すよう設計されているものがあります。さらに、周波数と点灯時間だけでなく、振幅(光の強度)まで制御されているものまであります。パルス光を測定するための最適な測定器を選定するには、測定対象となる光源の出力パラメータ、特に周波数が重要となります。
一般的にパルス光の周波数はヘルツ(Hz)で表されます。ヘルツ(Hz)は、1秒間における点滅のサイクル数を定義するための、SI基本単位です。パルス持続時間とは、パルス信号が指定した振幅に達した時から、立ち上がったパルス信号が再び指定した振幅に落ちた時までの時間間隔です。振幅は最大またはピーク出力となり、Lux、W/cm2、W、Candera等の単位で表されます。パルス光は、安全性/危険警告の注意喚起、UV硬化/光線療法の照射光として、そして殺菌/消毒の用途においては材料への損傷を最小限に抑えることのできる有効な手段として、幅広い用途で使用されています。
■UV硬化(紫外線硬化)
パルスUVランプは非常に強い出力の光を発するよう設計されています。特定のUV硬化アプリケーションにおいては、連続光よりもパルス光の方が適しています。パルス光は連続光よりも低温度にて、より速く、より多くのエネルギーを提供します。熱やUV光の長時間の照射が製品に損傷を与える可能性がある場合、パルス光は理想的な解決策です。さらにパルス光は、高いピーク出力を持たせることでより深く光を浸透させることができます。最終的な製品の品質を確かなものとするために、ユーザはUV硬化システムの仕様を確認する必要があります。UV硬化プロセスの機能を検証するには、光度計/放射計による測定が必要不可欠です。
■航空機の衝突防止灯
米国連邦航空局(FAA)の規制において、ほとんどの航空機に、他の航空機から目視することのできる外部照明を組み込むことが義務付けられています。この外部照明には、翼の赤と緑のポジショニングライト、胴体上部と下部の赤いビーコンライト、そして点滅する白色の衝突防止用ストラボライトが含まれます。FAAはフラッシュレートに加え、これらのライトの最小強度(Candera単位において)に関する規制も設けています。航空会社、航空機に関連する業者、そして衝突防止灯の製造業者は、パルス光の強度と点滅速度が規制されている仕様の範囲内に収まっていることを確認する必要があります。点滅光源からの光を測定するためには、専用に設計された測定器が必要となり、外部照明の検証とメンテナンスに非常に重要です。
■航空障害灯
米国連邦航空局(FAA)は航空機の衝突防止灯に加え、地上200フィート以上の構造物に設置されている衝突防止灯に関する規制も設けています。これらの構造物には建物、橋、アンテナ、風力タービン、塔などが含まれ、衝突防止灯は上空を飛行する航空機が、それらの障害物の存在を確認するための装置となります。FAAはこれらの衝突防止灯の色、強度、ビームパターン、そしてシーケンスに関する規制を設けています。衝突防止灯の仕様を満たしていないと、高額な罰金の対象となるだけでなく、航空機の安全性を脅かす危険性があります。
■セーフティハザード照明
パルス照明はCW光(連続光)よりも、注意喚起を目的とした用途にておいてより大きな利点があります。光源の時間変調(点滅、フラッシュ)は注意を引くために非常に有効な手段です。適切な周波数と持続時間にて点滅することで、人間の目はパルス、点滅光に対し5倍の感度を持ちます。それゆえ、パルス光源は航空、海上航行、陸上輸送などの幅広い分野における危険警告用信号として使用されています。用途に応じて規制が異なり、ハザードライトの強度、点滅速度(周波数)が規定されています。新たな施設を建設、設置する際にはこれらの規則が確認する必要があります。また、ストロボライトをテストするための規格であるNPFA72に沿って、定期的な測定検査を要求される場合もあります。
■医療用強力パルス光
強力パルス光(IPL)はシミ、赤み、加齢によるシミ、酒さ、血管の破裂などの皮膚疾患の治療や、脱毛などの美容医療によく使用されています。パルス光は皮膚の奥深くまで浸透し、原因である発色団が光を吸収し不要な細胞を死滅させます。症状によって有効な波長が異なるため、通常IPL光源は、幅広い波長に出力をもったブロードな光源を使用します。短波長側のUV光は皮膚表面の治療に使用されます。また、長波長側の赤外線は皮膚組織の奥深くまで浸透しますが、他の皮膚層にダメージを与えません。強力なパルス出力を持つプロ仕様のシステムは、定期的に正常に動作しており、出力が仕様の範囲内であることを確認する必要があります。
■消毒と殺菌用パルス光
UV域におけるパルス光は消毒や殺菌用途だけでなく、硬化にも頻繁に使用されます。UVパルス光はより深く浸透することが可能なため、厚みのある材料の硬化に有効な手段です。世の中にあるほとんどの光測定システムはCW光(連続光)測定用に設計されています。このような測定器でパルス光を測定すると、急速な出力の変化に対応する事ができず、安定した測定が困難となる可能性があります。
■オーディエンススキャン
オーディエンススキャンは、観客の興奮を高め、一体感を与え、観客の注目と満足度を高めるために使用さる特殊照明効果です。花火のように飛び散ったカラフルな光は、ダンスクラブやコンサートの雰囲気を盛り上げます。パルスUVランプは高出力に設定されており、連続的のオンにしておくと、不要な加熱、ランプ寿命の短縮などの運用コストの増加の要因となる可能性があります。
■パルス光/フラッシュ光測定用システムのご選択
インターナショナルライトテクノロジーズは、最大500サンプル/秒の速度で測定できる測定システムを設計しました。測定前に電荷を蓄えることで、さらに高速な積分光測定を実現しました。W、J、W/cm2 、J/cm2、ルクス、ルクス/秒、カンデラ、有効カンデラ、フラッシュカウント、積分強度、ピーク強度、周波数、そしてパルス波形のグラフ表示、等幅広い測定項目に対応することができます。研究開発から装置組み込み、そして現場での製品評価/品質管理まで、幅広いご用途に対応できるようにベンチトップ型からハンドヘルド型まで様々な測定器をご用意しています。ご要望の測定対象、アプリケーションに合わせ最適な測定器をご提案致します。また、ご要望の仕様に合わせ、測定器のカスタマイズも承っております。パルス光、フラッシュ光の測定をご検討の際は、是非弊社までご相談ください。