製品情報 Products

インターナショナルライトテクノロジーズタングステンハロゲンランプとガス封入ランプに関して

カタログ/技術資料

インターナショナルライトテクノロジーズ社(以下ILT)のタングステンハロゲンランプ、およびガス封入ランプに関する技術情報とアプリケーション情報をご紹介します。ILT は、T-1 3/4、G4-G10 口金、バイピン、リード線、MR3~MR11リフレクターアセンブリなど、さまざまなサイズ、形状、ガスの種類(ハロゲン、キセノン、アルゴン、クリプトンなど)のガス封入ランプを幅広く取り揃えています。ランプの特注対応も承っております、ご検討の際はぜひご相談ください。

タングステンフィラメントハロゲンランプの仕組み

タングステンハロゲンランプは、封入ガスに微量のハロゲン(通常は臭素)が含まれている点を除いては、従来のガス封入タイプのタングステンフィラメントランプと構造が似ています。

ハロゲンガスは蒸発して外側に移動し、ランプの内壁に付着したタングステンと反応します。石英管内の表面の温度が約250℃に達すると、ハロゲンはタングステンと反応しハロゲン化タングステンとなり、石英管内の表面から解放されフィラメントに戻ります。ハロゲン化合物はフィラメントで反応し、約2,500℃の温度にてタングステンとハロゲンが分離します。タングステンがフィラメントのより冷たい部分に付着することでハロゲンは解放され、分離と解放のサイクルを繰り返します。

タングステンハロゲンランプのフィラメントには2つの目的があります。1つは光を生成すること、もう1つは石英管内の表面温度を250℃以上にするために必要な熱を生成することです。これらのランプは、設定された電圧で動作している時に、発光に必要となる石英管内の表面温度を維持するよう設計されています。設計電圧から10%を超える電圧低下は、石英管内の表面温度が必要な250℃を下回る可能性があります。テストの結果、このような設計電圧の低下が原因となり、ランプがすぐに故障してしまうことはあまりないことが分かっています。石英管内の表面温度がハロゲンサイクルの機能しなくなる温度まで低下すると、タングステンとハロゲンは反応しなくなり、ランプが正常に点灯しなくなります。石英管内の表面に黒化が見られる場合、黒化が発生する動作電圧範囲を避けて使用する必要があります。正常な設定電圧でランプを短時間点灯することで、動作電圧範囲外の点灯によって発生した、一時的な黒化を解消できることもあります。

しかし、タングステンハロゲンランプを、10%以上設定電圧が下がった状態で使用を続けることで、腐食性のハロゲンがタングステンフィラメントに悪影響を及ぼし、ランプが早期に故障する可能性があります。タングステンハロゲンランプは通常、最大限度の電圧にて設計されているため、設定電圧を超えた電圧での点灯は推奨しておりません。また、ランプシールの温度は350℃を超えてはなりません。ランプシールが350℃を超えると、モリブデンリボンが酸化しランプの早期に故障つながります。

ilt_tangsten_002_img.png

タングステンハロゲンランプは紫外線から可視光線、そして赤外線(おおよそ5μm)まで広帯域におけるスペクトル放射を提供するため、分光測定に最適な光源です。光源(色温度)によっては320nm、340nmから出力を得ることができます。そのため、ILTはタングステンハロゲンランプにおける紫外域の出力をカットしません。

ilt_tangsten_003_img.gif ilt_tangsten_004_img.gif

詳細な技術情報 - 真空ランプ、ガス封入ランプ、タングステンハロゲンランプ

真空ランプ *こちらのリンクをご参照ください

真空白熱ランプのタングステンフィラメントは、抵抗加熱によって可視光が放射される温度まで加熱されます。フィラメントは電気抵抗器として機能し、印加電圧とフィラメントを流れる電流の積に比例して電力を消費します。電力が上昇し、温度が1000ケルビン以上となると可視光が生成されます。消費電力が上がると、光量が増加し、スペクトルのピークが青色(短波長側)にシフトします。一般的な真空ランプのフィラメント温度は1800~2700ケルビン程度となります。フィラメント温度が低いと光は赤みがかった黄色に見え、フィラメント温度が高いと光は白っぽく見えます。

タングステンフィラメントは、フィラメント温度が上昇するにつれ、より急速に蒸発します。蒸発したタングステン粒子はガラス管に堆積する傾向にあり、時間の経過とともに光出力に悪影響を及ぼします。使用方法によっては、耐用年数より短い時間で使用できなくなってしまうケースもあります。最終的には、フィラメントの材料が蒸発してしまいフィラメントが破損し、ランプの寿命が完全に尽きてしまいます。ランプの寿命はフィラメント温度に大きく依存します。その為、長寿命の真空ランプは低い温度で使用される傾向があり、一般的に発光は黄色がかっています。

タングステンフィラメントの電気抵抗は、室温においては非常に低いです。ランプに最初に電力が供給されると、突入電流によってフィラメントが急速に加熱されます。フィラメントの抵抗は冷感抵抗の5~10倍に上昇します。ランプに流れる電流量が安定すると、安定した光出力を発します。フィラメントのサイズによって、突入時間は数十msec~数百msecと異なります。特定のアプリケーションによっては、突入時間を考慮してランプを使用する必要があります。

ガス封入ランプ *こちらのリンクをご参照ください

ガス封入ランプは、不活性ガス環境で反応する、白熱フィラメントから光を生成します。不活性ガスを加えるとタングステンフィラメントの蒸発が抑えられ、ランプの寿命が延び、同じ寿命でより高い温度で使用することができるようになります。一般的に使用されるガスは窒素、アルゴン、クリプトン、キセノンなどです。これらのガスは希少であり、時にキセノンは自然存在比が非常に低いため、使用に高いコストが掛かります。原子量の多いガスの利点は、原子量の低いガスよりもタングステンフィラメントの蒸発を効果的に抑制できる点です。これにより、ガス封入ランプのフィラメントは3,200ケルビンまでの温度で使用することが可能となり、より長いランプ寿命を実現します。これらのランプの発光は青色の含有量が高く、光は純白に見えます。

ガス封入ランプは、真空ランプと同じフィラメント温度に達するために、より多くの電力を必要とします。周囲のガスはフィラメントを冷却しながら蒸発を抑制し、蒸発したタングステンのランプ壁への移動を減らします。ガス充填ランプは動作温度が高いため、入力電力1ワットあたりの光出力が高く、様々な用途で使用されています。

タングステンハロゲンランプ *こちらのリンクをご参照ください

タングステンハロゲンランプは、臭素などの活性ハロゲンガスを少量含んでいる点を除いては、ガス封入ランプに似ています。不活性ガスはタングステンフィラメントの蒸発を抑制し、ハロゲンガスは石英管内の表面をメッキしているタングステンの量を減らす働きをします。ハロゲンガスは蒸発し外側に移動し、石英管内の表面に付着したタングステンと反応します。石英管内の表面の温度が一定に達すると、ハロゲンはタングステンと反応し臭化タングステンを形成し、これが石英管内の表面から解放されフィラメントに戻ります。臭化ハロゲン化合物はフィラメントで反応し、約2,500℃の温度にてタングステンとハロゲンが分離します。タングステンはフィラメントに付着し、再びサイクルを繰り返すために開放されます。残念ながら、タングステンは蒸発が起こった同じ箇所に付着しないため、フィラメントは徐々に細くなり、最終的には故障します。

タングステンハロゲンランプのフィラメントには2つの目的があります。1つは光を生成すること、もう1つは石英管内の表面温度を250℃以上にするために必要な熱を生成することです。これらのランプは、設定された電圧で動作している時に、発光に必要となる石英管内の表面温度を維持するように設計されています。設計電圧から10%を超える電圧低下は、石英管内の表面温度が発光に必要な250℃を下回る可能性があります。テストの結果、この設計電圧の低下が原因となり、ランプがすぐに故障してしまうことは、あまりないことが分かっています。石英管内の表面温度がハロゲンサイクルの機能しなくなる温度まで低下すると、タングステンとハロゲンは反応しなくなり、ランプが正常に点灯しなくなります。石英管内の表面に黒化が見られる場合、黒化が発生する動作電圧範囲を避けて使用する必要があります。設定電圧で正常にランプを短時間点灯することで、動作電圧範囲外の点灯により発生した一時的な黒化を解消できることもあります。しかし、タングステンハロゲンランプを、10%以上設定電圧が下がった状態で使用を続けることで、腐食性のハロゲンがタングステンフィラメントに悪影響を及ぼし、ランプが早期に故障する可能性があります。

タングステンハロゲンランプの光出力は、ランプのガラス管におけるハロゲンガスの洗浄作用により、他のガスランプよりも安定しています。そのため、スペクトルの色温度の高さ、長いランプ寿命などの理由から、タングステンハロゲンランプは多くの産業および科学用途に非常に適しています。ハロゲンサイクルを開始するために、ガラス管を十分な温度に維持する必要があるため、デューティサイクルが制限されるという欠点があります。しかし、連続点灯する場合は、適切な温度を維持するための換気を比較的容易に行うことができます。

ilt_tangsten_005_img.jpg

タングステンハロゲンランプは通常、最大限度まで設計されているため、設定電圧を候えた電圧での点灯は推奨されません。また、ランプシールは350℃を超えてはなりません。ランプシールが350℃を超えると、モリブデンリボンが酸化しランプの早期に故障つながります。

タングステンハロゲンランプは紫外線から可視光線、そして赤外線(おおよそ5μm)まで広帯域におけるスペクトル放射を提供するため、分光測定に最適な光源です。光源(色温度)によっては320nm、340nmから出力を得ることができます。

タングステンフィラメントランプ:設計電圧と動作電圧にておける寿命

時間で定義されているランプ寿命は、設計電圧および理想的な実験室条件下で計算されています。設計電圧からの偏差はランプ寿命の誤差となります。この偏差により、消費電力、明るさ、色温度も変わります。設計エンジニアは、これらの特性を利用して、用途に合ったランプを設計する必要があります。

上記"FIGURE 1"は、動作電圧と設計電圧が異なる場合の、電流、色温度、そして明るさの変動(%)を表しています。

定格寿命は時間単位で表されます。そして、定格寿命は設計電圧、交流、理想的な実験環境下で算出されています。実際の使用環境化では衝撃、振動、温度変化などが影響しランプ寿命が短くなる場合があります。設計電圧よりも低い動作電圧で使用すると、ランプ寿命が大幅に伸びる場合もあります。設計電圧の低下によりフィラメント温度が下がり、衝撃や振動に対する耐性が高まるためです。また、ランプが小型である場合、構成部品や製造におけるバラつきの影響で、ランプ寿命の個体差が大きくなります。一般的にランプ寿命は、多数のランプの平均寿命として計算されています。

ilt_tangsten_006_img.jpg ilt_tangsten_007_img.jpg

簡易ランプ計算表

こちらの表にて、ランプに適用される電圧値に対する電流、平均球面カンデラ、ランプ寿命の依存性を、ランプの設計電圧のパーセンテージとして判断することができます。使用する設計電圧のパーセンテージを通る水平線を描き、表の右側にある計算されたパラメータの値を読み取ります。(*参考値となります。)

ilt_tangsten_008_img.jpg

関連製品

インターナショナルライトテクノロジーズ

ILT2500
フラッシュランプ対応ハンドヘルドライトメータ

インターナショナルライトテクノロジーズ

ILT2400
ハンドヘルドライトメータ

インターナショナルライトテクノロジーズ

ILT5000
研究開発用ライトメータ

インターナショナルライトテクノロジーズ

ILT1000
データロギング機能付きライトメータ

オーシャンインサイト社製品について

オーシャンインサイト社の製品はこちら

オーシャンフォトニクス株式会社 ご連絡先

お問い合わせはこちら

本ウェブサイトに記載の外観・仕様などは、予告なく変更することがありますので予めご了承ください。本Webサイトに記載の会社名・製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。