この実験では、拡散反射システムの一部としてNIRQuest+2.5分光器(900〜2500 nm)を使用して、有機サンプルと表土サンプルの含水量の特定を行いました。
土壌中の水分含有量を決定することは、作物の健康が土壌や作物の種類などの要因によって異なる最適な水分レベルの維持に大きく依存している農業において非常に重要です。
サンプル準備と実験方法
標準の表土、堆肥を含む表土、堆肥、砂の4つの異なるサンプルを準備しました。
サンプルの重量を量り、測定しました。これらのサンプルは、湿った土壌としてラベル付けしています(図1)。スペクトルに2つの強い水分ピークが確認できます。水の吸収帯は通常、970 nm、1200 nm、1450 nm、および1950nmに見られます。
図1. 前処理なしの表土、堆肥、砂を含むサンプルの反射スペクトル
反射プローブを使用した拡散反射測定でデータ収集しましたが、反射スペクトルは吸光度(Log(1 / Reflectance)としてプロットしています。これは、%Reflectanceとしてスペクトルを観察するよりも、強度/吸光度の傾向を観察する方がより分かりやすいデータとなるためです。
次に、サンプルを100°Cの乾燥オーブンに2日間入れ、サンプルを再度計量および測定して、それぞれの水分含有量を決定します。 これらのサンプルは乾燥土壌としてラベル付けしました。 サンプルが乾燥すると、水分のピークはそれほど強くありませんでした。 それでも、湿気の多い環境においては乾燥したサンプルは少なくとも少量の水分を吸収し、特徴的な水分特性を示しました。このことは以下スペクトルで明らかに分かります。(図2)。
図2. 2日間のオーブン乾燥後の反射スペクトル
図3は、スペクトルの傾向をよりよく示すためベースライン補正されています。ご覧のとおり、2つの水のピークでの反射率の傾向は、土壌サンプルで決定した水分の傾向と同じです。
図3. ベースライン補正された反射スペクトル
これらの結果から、大量のデータを取り扱うのに最適な機械学習(Machine Learning)ツールとアルゴリズムモデリングを適用することにより、土壌サンプルの含水量スペクトルデータやその他の特性からさらなる“Insight(洞察)”を得ることが可能です。
オーシャンフォトニクスの測定システム
オーシャンフォトニクスでは、土壌評価におけりNIR域の分光測定のみならず、各種材料に対応した測定システムをご用意しています。UV~VIS、VIS~NIR域のシステム提案も可能です。
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ハロゲン光源と集光光学系を1つのユニットに統合して、45°拡散反射測定を実現します。
食品の穀物やその他の農業サンプルの色分析、材料識別、品質監視などのアプリケーションに最適です。