バッファリング機能とは、取得したデータを記憶領域に一時的に保存しておく機能です。
オーシャンオプティクス社製マルチチャンネル分光器にはバッファリング機能を有するモデルがあります。通常、分光器は取得したスペクトルごとにコンピュータにデータを送りますが、コンピュータ側の処理速度や稼働状況によっては、データの間隔が空いたり、途切れる場合があります。分光器内部のバッファに一時的にデータをため込むことにより、これらに依存することなく時間的に安定したサンプリングが可能となります。
特にOCEAN-FXは10μsecの短時間露光でのバッファリング機能において最大4,500スキャン/秒のデータ取得が可能であり、高速での安定したサンプリングを実現します。このため、高速で変化する現象をモニタするインライン検査等に最適なモデルと言えます。
Ocean HDXは、オーシャンオプティクス社のOcean FXで採用されたバッファリング機能およびマルチインタフェースを備えたプラットフォームをベースに、裏面入射型ディテクタを搭載したファイバマルチチャンネル分光器です。
UV高感度、高分解能、またバッファリングが可能な本分光器は、インタフェースの選択も可能で、ユーザの使用環境や装置内設置においてセキュリティと信頼性が向上します。
QEPro分光器は、裏面入射型の2D FFT-CCDを搭載した高感度のマルチチャンネル分光器です。高速データ取得のために、最大15,000スペクトルのバッファリングが可能です。USB通信にタイムスタンプ付きのスペクトルをバッファリングすることにより、データの整合性を維持します。また低ノイズのエレクトロニクスと18bit A/Dにより、ワイドなダイナミックレンジと高感度を実現しています。入射スリット交換可能なQEPro分光器は、蛍光測定、DNA塩基配列、ラマン分光など、高感度を要する測定から、高分解能、高安定性を要する測定まで、さまざまなアプリケーションに最適です。また、オプションで内蔵シャッタの装着が可能となり、測定におけるダークシグナルの取得が容易に行えるため、装置組込み等の光の遮蔽が難しい状態でのアプリケーションに最適です。