裏面入射型CCDには、通常の表面入射型CCDと比べ、
・感度が高い
・低ノイズ
という特徴があります。
その一方で、裏面入射型CCD特有の問題として、「エタロン効果」と呼ばれる現象が生じます。シリコンは概ね700nm以上の近赤外領域では光のすべては吸収されず、「半透明」となります。このため、裏面と表面で反射された光は、互いに干渉しあい干渉縞を作ります。波長が長くなるに従いシリコンの「透明度」が上がるため、それに伴って、観察される干渉縞は顕著になる傾向があります。逆にほぼすべての光が吸収されシリコンが「不透明」であるため、紫外線から可視光の波長域では、このような干渉縞は見られません。
測定したスペクトル上に、このような本来の光の強度分布とは無関係の「干渉縞」が見られる現象がエタロン効果と呼ばれます。波長分解能を上げる目的で入射スリットを狭くしたり、光量を落とす目的でコア径の小さなファイバを使用する場合は、エタロン効果が顕著に発生する傾向があるため注意が必要です。
リファレンスを測定し、測定値に対して割り算をすることから、エタロン効果は通常キャンセルされます。
※極端に低い透過率、反射率を計測するといった場合など、分光器の感度が低い波長領域、光源の光量が小さい波長領域では、影響を取り切れない場合があります。このような場合は、ソフトウェア上で処理を行うことで影響を軽減できる場 合がありますので、ご相談ください。
放射照度、輝度などの測定、校正を行いピーク強度の比較などを行う場合や標準光源による計測システムの校正を行う場合は、エタロン効果まで含めて、校正曲線を標準光源のデータに合わせ込むことから、計測値に影響が出ることは通常ありません。
弊社は、裏面入射型CCD内蔵のマルチチャンネル分光器 QEPro、Maya2000Pro、OCEAN-HDXのデモ機をご用意しています。お考えの測定につきまして、デモ機によるご確認をご希望の際はこちらからご連絡ください。