アプリケーション

分光器とは

「分光器」とは、測定したい光を各色(波長)に分解(分光)し、各色の強度を測定する装置です。(弊社取り扱いの分光器の波長範囲はDUV~可視~近赤外に対応します。)

光を各波長に分解(分光)させる素子としてグレーティング(回折素子)やプリズム(屈折素子)があります。一般的に使用される分光器では、分解(分光)の制御がしやすいグレーティング(回折素子)が使用されています。

分光器の種類として、単一波長を測定するモノクロメータと、ある波長幅を一度に測定できるポリクロメータ(スペクトロメータ)があります。

オーシャンフォトニクスでは、多素子のディテクタを検出器として用い、ポリクロメータと組み合わせたスペクトロメータタイプの「ファイバ入力型マルチチャンネル分光器」を販売しています。

マルチチャンネル分光器は、放射光、反射光や透過光の光学的特性を調べるために、スペクトルを取得します。放射光の測定においては、太陽光、LED光源など各種光源、レーザやプラズマの発光をスペクトルとして取得し、波長および光強度を測定します。また薄膜やプラスチック、食品、植物の反射(率)スペクトルの取得や、各種フィルタ、フィルムおよび溶液サンプルの透過(率)・吸光度スペクトルの取得が可能です。これら放射/反射/透過・吸光度スペクトルから色度の算出も可能で、スペクトル取得と同時に色測定も可能です。

マルチチャンネル分光器は、入射スリット、グレーティング、多素子のディテクタおよびコリメートミラー/フォーカスミラーで構成されています。焦点距離の短いコリメートミラー/フォーカスミラーを使用することで、マルチチャンネル分光器の小型化を実現しています。

以下が分光器内部の光学系配置です。

inside spectrometer
① SMAコネクタで光ファイバと接続
② ファイバからの入射光を開口部である入射スリットを通して内部に導光
③ オプションでロングパスフィルタの取り付けが可能、必要のない入射光をカット
④ コリメートミラーで入射光を平行光とし、グレーティングに転送
⑤ グレーティングで分光
⑥ フォーカスミラーで光をディテクタへ結像
⑦ ディテクタ素子サイズに合わせたシリンドリカルレンズで受光量を増大
⑧ 多素子(マルチチャンネル)のディテクタで受光
⑨ 分光器の構成(グレーティング/波長範囲)によって選択されたOFLVフィルタで2次光、3次光の除去)
⑩ 分光器の構成(グレーティング/波長範囲)によって、ディテクタ窓材の指定が可能

オーシャンフォトニクスの分光システムの選択

以下の要求事項から、分光器の種類を選択します。
・波長範囲:200-1100nm → CCDまたはCMOSディテクタ採用シリーズ  

FLAME、HR4000、HR4Pro、Maya2000Pro、QEPro、Ocean-FX

・波長範囲:900-2500nm → InGaAsアレイディテクタ採用シリーズ  

NIRQuest+、FLAME-NIR+

* 測定可能な波長範囲はグレーティングの選択によって決まります。

CCD、CMOSディテクタ採用モデル:200-1100nm(UV-VIS-NIR:200~1100nm)

FLAME-T:スタンダードモデル

CCD: 200~1100nm

弊社が提供するスタンダードのCCD分光器です。
小型、安価な本シリーズは、各種光源モニタ、薄膜、プラスチックや各種材料の反射測定、固体、溶液サンプルの透過吸光度測定、色測定など用途を選ばず幅広いアプリケーションに対応します。

HRシリーズ(HR4000HR4Pro):高波長分解能モデル

CCD:200-1100nm

FLAMEシリーズ分光器の内部光路長を延長し、高波長分解能を実現したCCD分光器です。
高波長分解能を必要とするレーザモニタ、プラズマモニタなどに最適です。

Maya2000Pro:UV高感度・高波長分解能モデル

CCD:200~1100nm

HRシリーズをベースに、裏面入射型2D-CCDを採用し、高量子効率を実現した分光器です。Deep-UVオプションとしてディテクタウィンドウやミラーコーティング、N2パージポートの選択が可能な本モデルは、高波長分解能、UV高感度を要する測定に最適です。

QEPro:低ノイズ、高安定性モデル

CCD:200-1100nm

電子冷却裏面入射型2D-CCD採用した本モデルは、高感度、高波長分解能および高安定性を必要とする測定に最適です。電子冷却型CCDにより、低ノイズ、低ダークシグナルを実現し、微弱光測定や長時間変化測定での安定性が求められる用途に最適です。 また最大15,000スペクトルのバッファリングが可能で、短時間でのスペクトル変化を高速で取得します。

Ocean FX:高速データ取得・バッファリングモデル

CMOS: 200~1100nm

弊社が提供する最も高速でデータ取得が可能な分光器です。最短露光時間10μsecでのバッファリング機能において最大4,500スペクトル/秒のデータ取得が可能です。さらにインタフェースには従来のUSBの他、ギガビットイーサネットとWi-Fiも選択できます。

Ocean HDX:高速データ取得・バッファリングモデル

CMOS: 200~1100nm

裏面入射型ディテクタを搭載したファイバマルチチャンネル分光器です。

UV高感度、高分解能、またバッファリングが可能な本分光器は、インタフェースの選択も可能で、ユーザの使用環境や装置内設置においてセキュリティと信頼性が向上します。

InGaAsディテクタ採用モデル:900~2500 nm

NIRQuest+

InGaAs:900-2500nm

スタンダードの近赤外分光器です。900~1700 nm、900~2100 nm(1000~2200 nm)、900~2500 nmの幅広いラインナップの波長範囲よりご選択が可能です。電子冷却モデルの本シリーズは、最長で2500nmまでの長波長での測定に対応します。穀物、飼料や各種食品、薬品、水分測定のアプリケーションに幅広く使用可能です。

FLAME-NIR+

InGaAs:970-1700nm

970~1700 nmの波長範囲の測定を可能にした小型・安価な近赤外分光器です。非冷却InGaAsディテクタ採用の本モデルは、近赤外域の測定に容易に使用可能です。CCDモデルのFLAMEシリーズと同サイズの本分光器は、FLAMEシリーズとの組み合わせで紫外可視近赤外の分光システムを構築可能です。

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