実験条件
100%コットン、ナイロン、サテンのテキスタイルサンプルからの反射率は、サンプルへの照射光源として高出力ハロゲン光源HL-2000-HP、受光部をNanoQuest MEMS-FTIR 赤外分光システムを使用して、1350-2500 nmの広帯域で測定します。また照射光および反射光受光のために、600μmVIS-NIR反射測定用ファイバプローブを使用します。
正反射受光が可能な手動の光学ステージを使用して、布の表面に対してファイバプローブを90度に向けて測定を行いました。すべての測定値は、白色の拡散標準反射板を基準にしています。
NanoQuestは、フーリエ変換赤外線(FT-IR)テクノロジーに基づいています。特許取得済みのマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)の技術により、連続波マイケルソン干渉計をMEMSチップ上に一体型として配置可能なため、1350〜2500 nmの広帯域の全波長を同時に検出できます。またシングルフォトディテクタの採用で低ノイズ、高安定、小型化を実現しました。
NanoQuestソフトウェアでは、光学分解能を8 nm(FWHM)に、またカスタムゲイン設定を行い、S/N比を最適化しました。各サンプルは5つの異なる場所で測定され、スペクトルの前処理として平滑化された第2次導関数を用い、標準正規分布(SNV)を適用しています。また主成分分析(PCA)を取得データに適用しました。
測定結果
NanoQuestで測定されたNIRスペクトルは、さまざまなテキスタイルタイプを簡単に区別可能にします。 図1は、測定された綿、ナイロン、サテンの3つの繊維の反射スペクトルを示しています。各サンプルのスペクトルプロファイルの違いはすぐにわかります。右上部のPCA散布図は、各テキスタイルサンプルのPCAの分布は各種の明確な違いを示しています。

図1:NIR反射率で測定された3つの繊維サンプルの比較。
挿入図のPCA散布図は、2次導関数とSNVによる前処理後の結果を示しています。
結論
この実験は、NanoQuestで測定されたNIR域の分光スペクトルが、天然繊維と合成繊維の両方を識別するのに役立つ独自の機能を示すことを明確に示しています。 PCAをスペクトルに適用すると、テキスタイルサンプルの違いがさらに実証されました。未知のテキスタイルサンプルの測定においては、それらを正しく識別することが可能になるかもしれません。
オーシャンフォトニクスの測定システム
オーシャンフォトニクスでは、これらテキスタイルの特定におけるNIR域の分光測定のみならず、食品、農産物など、各種溶液試料や固体試料の分光測定システムをご用意しています。NIRならず、UV-NIR領域まで幅広く対応しています。
・ 低価格・取り扱い簡便
・ OEM供給、可搬型計測器としての採用に最適なコンパクトサイズ
(70×50×25 mm / 120g)
・ 1350~2500 nmの広波長範囲に対応
・ 簡易接続(ハードウェア):USBバスパワー
・ ユーザ選択可能な波長分解能(8 nm or 16 nm FWHM)
・ 入力光ファイバ、制御ソフトウェア付属
・コンパクト(182×110×47mm/1180g)
〈ペルチェ冷却用ファン駆動ACアダプタ付 : +5VDC〉
・シンプルデザイン : 光学系とA/D変換機一体型
・TE冷却で低ノイズ、低ダークシグナル
・OEM供給に最適なハードウェア&ソフトウェア環境
・ユーザ交換可能なスリット
・低価格
・コンパクト(89×63×34:L×W×H/265g)
・高い熱安定性(0.014pixel/℃)
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・サンプルステージ付属で容易な位置決め、光軸合わせ
・正反射、拡散反射測定に対応
・ソフトウェア:簡易なリファレンス、ダーク取得
・校正データ付き標準反射板付属で絶対反射率測定を実現
・拡散光照射・拡散反射光受光による反射率・色測定
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・フラットではない凹凸のあるサンプル、模様のある均一ではないサンプルの測定に最適
・積分球を使用した拡散反射での精度の高い色測定(XYZ, xy, uv, LAB)
その他、お客さまご要望のサンプルに対し、さまざまな反射測定システムをご提案します。
詳しくは、以下「正反射とは?拡散反射とは?」ページをご確認ください。