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全光束とは?全放射束とは?

光源には個々に特有の指向性があります。指向性とは光源からの光の強さが方向によって異なることを言います(レーザー等、特定の方向のみに放射される光は指向性が良い、と表現されます)。

では、個々に特有の指向性を持った光源そのものの明るさを
どのように定義するのでしょうか?

『光源そのものの明るさ』を比較するためには、『光源から全ての方向に放射される光の量』を測定する必要があります。『光源から全ての方向に放射される光の量』を表す単位として、全光束(Lumen:ルーメン)と全放射束(W)があります。

全光束(Lumen:ルーメン)

全光束とはその名の通り、光源から放射される全ての光束の和を表します。光束は視感度の補正がされており、人の目に感じる明るさの物差しとなり、可視域(VIS)における測定単位となります。一般的に可視域LEDの明るさ、近年では電球型LED等の照明装置の明るさを表す単位として使用されます。

全放射束(W)

放射束(W)とは、ある面を単位時間あたりに通過する放射エネルギーを表す光の単位です。そして、光源から全ての方向に放射される光の放射エネルギーの総量を、全放射束といいます。放射束(W)は視感度の補正がされておらず、光源の出力波長(nm)の総和となり、可視域に限定された測定単位ではありません。紫外域~可視域~赤外域全ての波長で使用される測定単位です。一般的に紫外LED・近赤外LED・レーザー等の明るさを表す単位として使用されます。

*消費電力のWとは異なる光の単位となります。

*波長(nm)に関しては、波長とは?をご参照ください。

測定方法

全光束(全放射束)の測定方法は、大きく分類すると2種類の測定方法があります。『積分球を使用した測定システム』と『配光測定システム』です。

(1)積分球による全光束(全放射束)測定

測定対象である光源の指向性を均一化し測定する事で、簡便に全光束の測定を行う事が可能です。積分球を使用した測定システムは一度の測定で全光束を算出しますので、測定が短時間となる利点があります。

検出器に分光器を使用する事でスペクトル・全放射束(W)・色度・演色性・色温度を同時に測定することが可能です。また使用する分光器・校正光源・積分球を紫外域・近赤外域に対応したものを使用することで、紫外域・近赤外域の全放射束の測定も可能となります。

*積分球に関しては、積分球とは?をご参照くだ下さい。


積分球を使用した全光束測定のイメージ図
(2)配光測定システムによる全光束(全放射束)測定

配光測定システムはその名の通り、光源の配光特性(指向性)を測定するシステムです。配光特性と全光束の両方を測定できる利点がありますが、光源の出力のある全ての方向(角度)で測定を行う必要があるため、測定時間は長くなります。

検出器に分光器を使用する事でスペクトル・全放射束(W)・色度・演色性・色温度の同時測定が可能です。また使用する分光器・校正光源を紫外域・近赤外域に対応したものを使用して、紫外域・近赤外域における配光特性と全放射束の測定も可能となります。

*配光測定に関しては、配光測定とは?をご参照ください。


配光測定イメージ図

具体的な測定システム

全光束、可視域のおける全放射束の測定システムです。様々なサイズの積分球(1インチ~3メートル)をご用意していますので、LED素子から大型の照明装置まで、ご検討の測定サンプルに合ったシステムのご提案が可能です。
紫外域LEDの全放射束を測定するシステムです。ダイナミックレンジ拡張用の減衰フィルタによりμW~Wまで幅広い出力の紫外域LEDの測定に対応が可能です。またサンプルサイズに合わせ積分球のご選択も可能です。
近赤外域LEDの全放射束を測定するシステムです。サンプルの明るさ/サイズに合わせて最適な積分球を選定し、システムをご提案いたします。
LED素子等の小さなサンプルから口金E26型の電球サイズまで、幅広いサンプルに対応可能な中型サイズの配光測定システムです。
照明装置をターゲットとした大型の配光測定システムです。最大40型LED2灯用サイズまで測定が可能です。またIESNA(北米照明学会)とNISTが共同で定めた測定規格『LM-79-08-2008』に対応しています。
紫外LED素子に最適な配光測定システムです。220~400nmの紫外LEDに対応しています。ご検討のサンプルサイズに合わせて測定距離を特注対応することも可能です。
近赤外LED素子に最適な配光測定システムです。900~1700nmの近赤外LEDに対応しています。ご検討のサンプルサイズに合わせて測定距離を特注対応することも可能です。

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