ORIA IRは、市販のMHz繰り返し周波数の標準的なフェムト秒チタンサファイアレーザ発振器(フェムト秒Ti:Saレーザ)の波長を900-4090 nm(10101~2444cm-1)の広帯域に拡張する密閉型全自動フェムト秒光パラメトリック発振器(OPO)です。
ORIA IRをフェムト秒Ti:Saレーザの後段に設置するだけで、高い変換効率と高い平均パワー(ピーク波長で1W以上)を実現します。設置はフェムト秒Ti:Saレーザのビームを容易にORIA IRに導入できるアライメントツールを新たに導入、キャビティ内の手動調整が不要で、更にピック・アンド・プレース化が向上しました。全操作はPCだけで行えるために、実質メンテナンスフリーで使いやすさを実現しました。スペクトル範囲全体で最短のパルス持続時間を実現するために、ORIA IRには動的分散補償モジュールが組み込まれており、波長ごとに分散を個別に制御し、最短パルスを維持できます。また、包括的温度制御(パッシブとアクティブ)機能も組み込まれ、低ノイズ測定にも最適な性能を保証します。
更に、堅牢な機械設計と効率的な水冷システムにより、全スペクトル範囲にわたって高いピーク 対 ピーク出力安定性と優れたビーム指向性が保証され、Oria IR は高度な超高速分光法や非線形顕微鏡アプリケーションに最適なツールです。
• 990~1550 nm、1696~4090 nmにわたる幅広い波長可変域
• 独立して波長可変可能:ポンプ光、シグナル光/アイドラ光
• 最高の平均出力: >1 W @ピーク波長
• ハンズフリー操作:密閉型筐体に自動波長可変と自己補正機能により全制御パソコン操作
• 標準MHzフェムト秒チタンサファイアレーザに対応
• 典型的パルス幅:160 fs(シグナル光)、96 fs(アイドラ光)
モデル | ORIA IR:シグナル | ORIA IR XT:シグナル&アイドラ | |
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対象励起光 | 各社フェムト秒チタンサファイアレーザ | ||
波長自動可変域 | シグナル [2] | 990~1550 nm (10101~6451 cm-1)* | |
アイドラ [2] | n/a | 1696~4090 nm (5890~2444 cm-1)* | |
励起光[2], [3] | 720~820 nm (14084~12195 cm-1)* | ||
出力 [4] | シグナル | > 1 W | |
アイドラ | n/a | > 0.35 W | |
パルス幅 [5] ()内:波数 |
シグナル | < 160 fs | |
アイドラ | n/a | < 96 fs @1696~2000 nm (5890~5000 cm-1)* | |
ビーム径@ 1300 nm | 1.4 mm ± 10% | ||
ビーム広がり角 | < 1 mrad | ||
空間モード | シグナル | TEMoo、M2 ≦ 1.2 | TEMoo、M2 ≦ 1 .2 |
アイドラ | n/a | TEMoo、M2 ≦ 1.3 | |
ビーム変移 | シグナル | <600 μm (18518 cm-1)* [6] | |
ビーム位置安定性 | <300 μrad (18518 cm-1)* [6] | ||
光ノイズ @ 1300 nm | <1 % [rms] | ||
光出力ポート | 1) 100% :シグナル光とアイドラ光(励起光バイパス無し) 2) 部分的シグナル光とアイドラ光、20%の励起光バイパス 3) 100% :励起光バイパス |
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出力安定性 | < 5 % [rms] | ||
偏光 | 横、> 100 : 1 | ||
繰り返し周波数 | 80 MHz | ||
寸法 (W x L x H) | 365 x 725 x 170.5 mm |
[1]仕様は予告なしに変更されることがあります。[2] ご要望に応じて拡張波長域もご提供可能です。[3] シグナル、アイドラの波長可変域と同時の励起光の波長可変域 [4] 励起光とOPO シグナル波長可変域のピーク [5] 典型値 [6] 出力端から40 cm離れた位置で測定。
*()内:波数.